抄録
立体情報を持たない2次元画像において奥行き感を向上させる方法について検討を行った。実際に目で見た情景を映像に収め、その映像を改めて見直すと実物より奥行き感が減ぜられているのが感じられる。これは両眼立体視で見ていたものが単眼の2次元映像になるためとも考えられが、片目で見た場合と比較しても同様に弱く感じる。今回、単眼の立体手掛かりとして陰影に着目し、それを強調することで、2次元自然画像での立体感を向上させる手法の検討を行った。本手法では、絵画的考えを用い、陰影の領域を増やし、かつその勾配を急にすることで陰影を強調した。本手法の有効性をテスト画像を用いて評価した。