抄録
近年、化粧品の開発効率向上のため、その光反射特性を求める計算機シミュレーションが盛んに行われている。しかし、化粧品を塗布した肌のシミュレーションは未だその手法が確立されていない。我々は、皮膚からの反射光を再現するための従来のモンテカルロ・シミュレーション手法に修正を加え、粉体塗布肌からの反射光を計算することを試みた。本研究では、ファンデーション層を模した微粒子層および皮膚の表皮・真皮・皮下組織の3層を組み合わせた微粒子塗布肌モデルを作成し、微粒子層の厚さや層内の粒子数密度が光の反射特性に及ぼす影響を調べた。解析の結果、微粒子層厚および層内粒子数密度と表面反射率の関係性が明らかとなった。