窯業協會雑誌
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雲母合成用坩堝の研究 (第3報)
野田 稻吉池ノ上 典
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1949 年 57 巻 642 号 p. 163-166

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抄録

以上の實驗結果から見てヂユナイト坩堝と蛇紋岩坩堝は共に融體がややマトリツクス部分と反應し組織を通して浸み出す傾向にあるが, 坩堝内には小さい乍らも肉眼的に雲母の結晶の生長が認められた。この系の坩堝は少くとも吸水率4-5%程度まで燒締る必要がある。組織をち密にし得れば共に雲母合成用坩堝として使用に耐えるものと考えられる。紅柱石坩堝は吸水率に於てヂユナイト質の場合より稍多かつたにもかかわらず結果は極めて良好であつた。雲母の結晶生成状態も極めてよく且つ融體と坩堝壁との反應は全然認められない。この系の大形坩堝を用い融體の量を多量にし熱處理適當なれば可成り大形の雲母結晶を得られるものと考える。
附記: 一本實驗は白石良行君はじめ研究課諸氏の協力による。記して謝意を表し度い。

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