窯業協會誌
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ボーンチャイナ素地の焼成過程における石英添加の影響
市古 忠利磯野 赳夫望月 敬一
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1977 年 85 巻 981 号 p. 218-225

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抄録

骨燐を用いたボーンチャイナの焼成過程における石英粒子添加の影響について検討した.
骨燐, 石灰石, 粘土, 長石, 石英から構成される素地について熱膨脹収縮曲線を検討し, 焼成素地について微構造的にX線回折法と偏光顕微鏡および走査電子顕微鏡で検討した. 嵩比重と抗折強度および弾性率を測定し, 素地の原料の粒度分布の影響も検討した.
石英粒子は焼成によって生じた素地熔融物中に熔解した. 石英の熔解は素地の磁硝化を促進し, 焼成火度を下げた. 10%以下の石英の添加は1250℃までに素地熔融物中に完全に熔解した. この石英の添加によって素地の強度はあまり影響を受けず, 素地焼成時の焼成幅は拡大した. 強度は素地の粒度分布の影響を受け, 抗折強度は粒度分布が小さくなると向上した.

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© The Ceramic Society of Japan
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