窯業協會誌
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Fe2O3あるいはCuOを含む鉛-硼酸ガラスの電気伝導および構造
平島 碩吉田 哲郎
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85 巻 (1977) 985 号 p. 434-440

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抄録

標題のガラスの直流導電率を100-300℃で測定した. 多くのガラスでは直流分極は見られず, 活性化エネルギーは, 電子伝導性とされているFeO-, CuO-P2O5ガラスと同程度であった. Fe2O3含有ガラスの導電率はCuO含有ガラスの約103倍で, Fe2O3含有量, [PbO]/[B2O3] 比と共に増加した. このガラスの熔融体中ではFe3+オキシ酸イオンが [PbO]/[B2O3] 比の増加と共にその濃度を増すことを前報で報告した. Fe3+オキシ酸イオンはガラス中の4配位Fe3+に対応すると考えられるので, [PbO]/[B2O3] 比と共に導電率が増加することから, 4配位Feの伝導への寄与が重要であることが推定された. またEPMAによるガラス中のFeLα, CuLα発光X線スペクトルの測定結果により, これらのガラスは4および6配位Fe3+または6配位Cu2+を含むことがわかった.
導電率とFeイオン間距離の関係はMottによるホッピング伝導式に従い, この関係から算出したトンネル係数は, 数種のFe3+含有ガラスの電荷移動吸収帯から計算した値にほぼ等しかった. CuO含有ガラスの導電率はこの式に従わず, 低CuO含有ガラスでは直流分極も見られた. 従って他の導電機構が優先すると考えられた.

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© The Ceramic Society of Japan
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