85 巻 (1977) 987 号 p. 533-537
特別に調製した酸素量の少ないSi3N4粉末を用い, Si3N4(60mol%)-Y2O3-Al2O3-SiO2四成分系に関する検討を行った. この系の混合粉末をBNを塗布した黒鉛製の押型に入れ, 1700℃に10分間保持して冷却, 試料を回収後, これを1気圧の窒素雰囲気下で5時間加熱焼鈍し, これらのX線回折データを集め, 以下の結論を得た.
(1) 新化合物Y3AlSi2O7N2 (pseudo-hexagonal, a0=4.048Å, c0=9.150Å) が見出された. 以下にこれをNと記す.
(2) 次の各系は1400℃で平衡するものと考えられる. SN-Ap-A-N, SN-A-G-N, SN-N-G-Ap, SN-Ap-G-Y2O3・2SiO, SN-Si2N2O-Y2O3・2SiO2-X, SN solid solu.-X-Y2O3・2SiO2-G, SN soild solu.-X-G
ただし, ここにSN, A, Ap, GおよびXは, それぞれ窒化珪素, オケルマナイトおよびアパタイト形化合物, ガーネットおよびムライト形化合物に対応する.
(3) 1700℃付近で生成したAl2O3を固溶するJ-相 (4Y2O3・SiO2・Si3N4) およびオケルマナイト形化合物 (Y2O3・Si3N4) は1000-1400℃の温度域で新化合物Y3AlSi2O7N2とガーネットおよびアパタイトを生成しながら分解する傾向を示す.
(4) Y2O3・2SiO2には約20mol%のAl2O3が固溶しAl2O3の固溶量が増大するに従いβ-相にかわり, δ-相の生成量が増大する.