90 巻 (1982) 1043 号 p. 348-355
2個の白金るつぼを上下に重ね, 上方のるつぼの底面にピンホールを1個あけておいた. この二重るつぼ中にγ-6Bi2O3・SiO2またはγ-6Bi2O3・GeO2多結晶体を満たし, 下方のるつぼの底面を水冷し, 上方のるつぼの上面を1250°-1280℃に加熱して, 多結晶体を下方のるつぼの底面に近い厚さ1-2mmの部分だけ残し溶融した. その後, るつぼ上面の温度を5℃/hの速度で降下させ, 下に残した多結晶体を種子結晶として, 融液を115℃/cmの温度こう配下で0.4mm/hの速度で下から上に向け一方向に凝固させた. ピンホールの真下に単結晶片を置き, これを種子結晶として同様に融液の一方向凝固を行うことも試みた.
上方のるつぼ内に形成された凝固物を凝固進行方向に垂直に切断し, 光学研磨すると, 直径30mmの面積の広い黄色透明なγ-6Bi2O3・SiO2及びγ-6Bi2O3・GeO2単結晶板が得られた. これらの結晶板は, 先にチョクラルスキー法により作られたγ-6Bi2O3・SiO2, 及びγ-6Bi2O3・GeO2単結晶と同様の光透過率, 光伝導性, 比旋光度, 電気光学効果等を示した. ただし, これらの結晶板は転位による小傾角境界や弱い不均一な複屈折を示した.