91 巻 (1983) 1049 号 p. 52-59
マグネシアセメント砥石製造時の発熱の抑制と, 硬化の早期達成を目的として実験を行った. 海水系酸化マグネシウムを用い, 塩化マグネシウム, 水, アルミナ砥粒と混練した後, 常温硬化により砥石を製造する際, クエン酸及び硫酸マグネシウムを微量添加してその影響を調べ, 次のことが分った.
反応の速い海水系酸化マグネシウムを用いているため硬化が早期に終結する. クエン酸及び硫酸マグネシウムの添加は, セメントペーストの早すぎる凝結を遅緩するので作業時間の調節に役立ち, また, 硬化発熱の時期を遅らせ, 発熱時の温度を低下する.
無添加の硬化体は, 大きな空げきを有する不均一な微細構造で, 収縮率は小さいが, 不安定な自由水を有し, アルカリ塩化物の表面析出が著しい.
微量添加の硬化体は, 硬化初期に自由水が固定され安定化し, 空げきは小さくち密で均一な微細構造となり, 収縮は大きく, アルカリ塩化物の表面析出は少ない. 硬化安定時の砥石の弾性率が高くなる.