93 巻 (1985) 1080 号 p. 442-450
1mol%のNb2O5と0.5mol%のMnOを含むZnOセラミックスについて, 液相焼結後の冷却条件を変化させることによって第2相の存在状態やそれとZnO粒子との間の成分移動等の微構造を制御し, それらと電気的特性との関係について検討した.
1305℃での液相焼結後, 1250℃以下の種々の温度, Tqまで急冷した場合, Tqが低いほど比抵抗値が大きく, 電圧-電流特性の非直線性が著しくなった. 焼成体の組織は, Tqが低くなるほどZnO粒子に対する第2相のぬれ性が良くなり, Tqが1000℃以下のものでは第2相の連続相となった. 焼成温度から室温まで徐冷した試料は絶縁化し, 非常に高抵抗で1200V/mmの電圧まではバリスター特性を示さなかった. 急冷試料の電気的性質の変化は, ZnO粒子に対する第2相のぬれ度合のみからでは説明することが難しく, ZnO粒子間の境界部が何らかの原因で高抵抗化し, バリスター特性が現れたものと考えられた. この点については, 液相の凝固の際に液相からZnOが一部晶出することに注目し, この晶出したZnOで形成される粒子間の接触部が, ZnO粒子内部と性質が異なることが予想され, この異質性がバリスター特性発現の微構造上の大きな要因と推定された.