2014 年 29 巻 p. 191-196
本論文は,放置竹林問題の解決のために伐採された竹の土木分野への利活用を検討したものである.ここでは竹を破砕機によりチップ・フレーク状に加工した材料の高い吸水性に着目し,浚渫土やため池底泥などの高含水比軟弱粘土を吸水固化させる工法の検討を行った.その結果,軟弱粘土中の竹チップ・フレーク材にはトラックで運搬可能な改良効果が得られ,破砕形状の変化による吸水特性の違いによって改良効果が異なるとこが明らかになった.また,固化材との併用により,固化材添加率の削減に効果的であることが示された.そして,固化材の添加は,改良土内の竹の腐朽にも影響を及ぼすことが分かった.