2014 年 29 巻 p. 205-208
背面盛土を補強土構造とし,橋桁・橋台と一体化させた補強盛土一体橋梁(GRS一体橋梁)が北海道新幹線で実構造物として初めて適用され,施工時および長期動態計測が実施されている.GRS一体橋梁の特徴により,コンクリートの伸縮作用による強制変位により背面盛土内に敷設された補強材(ジオテキスタイル)に引張変位が多数繰り返し生じる.また,アプローチブロックの背面方向への変位が生じることで補強材に対して引張変位が作用する可能性が懸念される.本論文では,長期動態計測より得られたデータを整理し,補強材の引張変位に影響を与える橋梁部の伸縮挙動と背面盛土(セメント改良アプローチブロック)の沈下状況について,実構造物の挙動を踏まえて考察した.