ジオシンセティックス論文集
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論文
耐越水性・耐浸透性を兼ね備えた薄層ドレーン強化堤防の提案
倉上 由貴二瓶 泰雄森田 麻友菊池 喜昭
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2016 年 31 巻 p. 191-

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抄録

本研究では,ドレーン工法とGRS工法の長所を組み合わせた耐越水・耐浸透堤防として,裏のり面に層状のドレーン工を敷設しつつ,堤体表面をカバーする被覆工とドレーン工を,ジオグリッドを介して堤体土と一体化する,という薄層ドレーン強化堤防(Laminar Drain Reinforced Levee,LDR堤防)を提案する.LDR堤防の耐越水性を調べるべく大型水路の越水実験を行い(堤防高さ1 m,越流水深最大0.25 m),土堤(天端舗装有,無)やアーマ・レビーと共に検討した.その結果,LDR堤防は越水開始2時間半後でも初期状態を維持でき,耐越水性が極めて高いことが示された.また,洗掘防止工の無い状況で同様の実験を行った結果,アーマ・レビーでは被覆工間の僅かな隙間(1 cm以下)で被覆工は流出したが,LDR堤防では被覆工間の隙間が5 cmを越えてもドレーン層の効果で被覆工の流出が抑制され,越水に対して極めて粘り強い構造であることが示された.

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