2019 年 34 巻 p. 49-52
ジオテキスタイル補強土壁の降雨による損傷の確率論的評価の降雨ハザードを参考に,他の形式の補強土壁である多数アンカー式補強土壁を対象として, 損傷確率を定量的に評価した.多数アンカー式補強土壁のフラジリティは,地盤強度定数を正規分布に従う確率変数として背面水位を与えてモンテカルロシミュレーションによって求めた.それらの降雨ハザードとフラジリティを用いて損傷頻度を求めた.その結果,他の形式の補強土壁もジオテキスタイル補強土壁と同様に降雨による損傷確率を評価することが可能であること,安全率に余裕のある補強土壁は損傷確率が比較的小さくなることを定量的に示すことができた.