抄録
連続糸混入土の性質をさらに改善するために、少量のセメントを砂に混入することにより、せん断抵抗の増加と耐浸食性の改良を試みてきた。連続糸の混入による改良土の表面は植生によって保護されることが多いので、セメントの付加により土の透水性が大きく減少することは望ましくない。今回検討した6%以下のセメント含有量に対しては透水性の減少は認められず、繊維と少量のセメントを混入した砂は、同量のセメントだけを混入した砂よりも2-3倍も大きい圧縮強度を有すること、また種々の室内実験によっても良好な耐浸食性を持つことが判明した。関東ロームについても同様に、繊維およびセメントあるいは消石灰を混入することにより、顕著な強度増加が認められるが、透水性は損なわれないことが判明した。