ジオテキスタイルシンポジウム発表論文集
Print ISSN : 0913-7882
補強材の上下面に作用する摩擦力
福岡 正巳
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 9 巻 p. 18-28

詳細
抄録

伸びないスチールのメッシュを補強材にした高さ15.4mで砂を裏込に使った擁壁と伸び易いHDPEを補強材にした高さ7.5mで粘性土を裏込に使った急傾斜盛土の観測データを解析して、補強材の上下面に働く摩擦力を求めた。その結果、一般に上下面の摩擦力は作用方向が反対で分布も一様ではないことが分かった。粘性土の盛土は完成直後は補強材に殆どひずみが生じなかったが、雨期を通して約5ヵ月放置している間にひずみが大きくなった。これは土中の水分の増加によって、土の物性が変化した結果である。変形を許さない土構造物で、土の物性の変化が予想される場合には盛土の材料の選定を含めて設計に配慮を行わなければならない。

著者関連情報
© 国際ジオシンセティックス学会日本支部
前の記事 次の記事
feedback
Top