ジオテキスタイルシンポジウム発表論文集
Print ISSN : 0913-7882
ジオメンブレンの引抜き抵抗試験に与える敷設幅の影響
高橋 悟今泉 繁良横山 幸満坪井 正行
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1994 年 9 巻 p. 77-85

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抄録

覆土中に埋め込まれたジオメンブレンが引き抜かれる場合、ジオメンブレンの幅を変えることによって,覆土崩壊の様子が変わり、それに伴い単位幅当たりの引抜き抵抗力も変化することが予想される。覆土厚が10cmと20cmの下で、ジオメンブレン敷設幅を1~60cmと変化させて引抜き試験を実施し、敷設幅の変化が引抜き抵抗力や覆土の挙動に与える影響を検討した。その結果、次に示すような結論が得られた。
(1) この程度の覆土厚さの下では、敷設幅が40cm以上の時、ジオメンブレン上の覆土はジオメンブレンの伸び変形と共に小さな土塊としての移動が後方に進展する。その結果として、引抜き抵抗力はジオメンブレンの下面にのみ摩擦力が発揮されているとして評価した値に等しい大きさとなる。
(2) ジオメンブレン幅が10cm以下の場合、ジオメンブレンが伸び変形をしても覆土形状は安定している。この時の引抜き抵抗力は、摩擦がジオメンブレンの上下面で発揮するとして評価される値よりも大きくなる。

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© 国際ジオシンセティックス学会日本支部
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