1996 年 11 巻 p. 11-16
HDPEジオメンブレンの設計・施工を行う上で、特に温度変化による伸縮およびそれによる応力の発生について考慮する必要がある。
筆者は、黒色、緑色、白色のHDPEジオメンブレンについて分光光度計を用いて日射吸収率を測定し、日射量および外気温とジオメンブレンの表面温度との関係を求めた。
さらに、過去の国内各地の日射量、外気温のデータから各地における夏場と冬場のジオメンブレンの表面温度を算定した。これらの結果、以下に示すことが知見として得られた。
(1) 日射量による表面温度への影響を最も受けにくいのは白色のジオメンブレンであること。
(2) 日射量と外気温との間に相関は見られないこと。
本報告により、日射量と外気温がHDPEジオメンブレンの表面温度に与える影響を設計・施工に反映することができる。また、白色のジオメンブレンを使用すれば、ジオメンブレンの表面温度の上昇を抑えることができ、ジオメンブレン施工における品質の向上を計ることができるものと考える。