1997 年 12 巻 p. 123-131
ジオネットを用いることで,液性限界を越えた粘土ペースト地盤に,支持力を期待させることができる.ジオネットの敷設によって,粘土ペースト地盤上に盛土を行い人工地盤や道路を,比較的容易に短期間で造成できるメリットがある.
それゆえ,研究の目的は以下のとおりである.
(1) 敷設されたジオネットにどのような大きさ,どのような分布で,張力が発生するか.
(2) ジオネットをどのような仕様にするか.
(3) ジオネットを敷設した粘土ペースト地盤は,どのくらいの支持力を発揮するか.
本論文の内容は以下のとおりである.
(1) ジオネット形状とひずみ分布を測定できる装置(2DDM)を示した.
(2) 現場における盛土荷重とジオネット敷設地盤の変位の測定結果を示した.
(3) 釣り合い方程式をたてて,ジオネットの形状を理論的に求め,実測値と比較検討した.