1997 年 12 巻 p. 25-34
加圧型大型可動壁模型土槽装置(土槽内寸法1.5m×1.5m×1.0m)に、ジオグリッドで補強された密、中および緩な豊浦砂の補強地盤を作成し、サーチャージを載荷後、側壁を可動させることにより、土圧の変化とジオグリッドのひずみを測定したものである。ジオグリッドの敷設方法は、高さ1mに3枚平設したものと無補強について、実験を行った。
試験の結果、土圧は、可動壁の移動量が大きくなるにしたがって小さくなり、補強土の方が、無補強に比べて小さい変位で土圧の軽減の程度が大きい。また、ジオグリッドのひずみは、可動壁の移動量が大きくなるにしたがって大きくなり、どの敷設方法においても可動壁面から50cm以内にピーク値を示した。
可動壁移動にともなう壁面土圧の低下量とジオグリッドに発生する引張り力の比較を行うことにより、密、中および緩い地盤の補強メカニズムの違いについて考察を行っている。