脳神経外科ジャーナル
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線維性下垂体腺腫に対する経鼻的再手術 : Micro-pressure-suction-irrigation systemとニードルタイプ超音波吸引装置との併用手術の経験
阿部 琢巳今泉 陽一中村 精紀川村 典義林 宗貴池田 尚人泉山 仁松本 清藤谷 哲
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2001 年 10 巻 5 号 p. 320-325

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抄録

われわれはこれまで経鼻的下垂体線腫摘出術においてmicro-pressure-suction-irrigation system(MPSIS)を導入し, その有用性を報告してきた.しかし, 再手術時などにMPSISだけでは摘出困難な線維成分に富んだ硬い腫瘍に遭遇した.このたびニードルタイプの超音波吸引装置(Olympus ultrasonic surgical aspiration ; OUSA)が開発された.本稿では残存した下垂体腺腫に対する経鼻的再手術法を紹介し, 硬い腫瘍に対するMPSISとOUSAを併用した手術のpreliminary experienceを報告する.対象は, MPSISだけでは摘出困難であった硬い非機能性腺腫4例であり, これらに対しOUSAを併用し経鼻的再手術を施行した.腫瘍の硬さに準じてOUSAの出力, 洗浄機能, 吸引圧を適宜調節し, 腫瘍を亜全摘出した.正常下垂体近傍は随時生検をし, 下垂体腺腫を確認のうえ摘出した.トルコ鞍内の腫瘍は十分減圧でき, この手術による下垂体機能の悪化例はなかった.硬い腫瘍に対する経鼻的再手術においてMPSISとOUSAとの併用法は有効な方法と思われる.

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© 2001 日本脳神経外科コングレス
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