脳神経外科ジャーナル
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下垂体膿瘍の6例
池田 充玉木 紀彦近藤 威江原 一雅長嶋 達也太田 耕平
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2001 年 10 巻 7 号 p. 454-460

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抄録

1980年以来当院で経験した465例の傍鞍部腫瘤のうち, 6例の下垂体膿瘍を検討した.症例は5例で両耳側半盲で, 1例は頭痛, 発熱であった.症状発現から診断までの期間は平均4.4カ月であった.下垂体機能は3例で障害を認めた.髄膜炎後に発症したのは2例, 下垂体腺腫術後に発生した症例が1例, 蝶形骨洞炎からの炎症の波及によるものが1例であった.他の2例は原因不明であった.手術は経頭蓋法が3例, 経蝶形骨洞法が3例であった.術後は神経症状は全例で改善したが, 内分泌症状の改善はみられなかった.起炎菌が判明したのは1例のみであった.平均11.1年の追跡期間で再発は認めなかった.

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© 2001 日本脳神経外科コングレス
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