脳神経外科ジャーナル
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頸部内頸動脈狭窄症における側副血行路として描出されたpersistent primitive trigeminal arteryの1例
金井 秀樹山田 和雄小松 裕明磯村 健一
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2001 年 10 巻 7 号 p. 475-480

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抄録

頸部内頸動脈(ICA)狭窄において, 椎骨動脈撮影(VAG)で描出された遺残性原始三叉動脈(PPTA)が, 頸動脈内膜剥離術(CEA)後は同側の頸動脈撮影(CAG)で造影された1例を経験した.症例は68歳, 男性で, 一過性の右上肢脱力と言語障害をきたし精査のために入院した.左CAGでは頸部ICAに約90%の狭窄を認め, 左VAGでは通常の発達を示す脳底動脈(BA)からICA側への側副血行路として細いPPTAが描出された.CEA後のPPTAは左VAGでは造影されず左CAGで術前とは逆のICA側からBAへの血流方向を示していた.頸部ICA狭窄症にPPTAが合併する場合には, PPTAの血流方向はICA系とBA系の圧勾配によって逆転し得ることを念頭におき, ICAの閉塞性病変や椎骨脳底動脈系の低形成の程度などを考慮して治療にあたるべきである.

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© 2001 日本脳神経外科コングレス
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