脳神経外科ジャーナル
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脳血管攣縮の血管内治療
瓢子 敏夫
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2002 年 11 巻 12 号 p. 777-782

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抄録

クモ膜下出血後の脳血管攣縮に対する血管内治療について,現在までの治療方法の変遷,それぞれの特徴と問題点について考察し,現時点での脳血管攣縮に対する血管内治療の治療指針を示した.血管拡張術,塩酸パパべリン,塩酸ファスジルの動注は,それぞれに最も効果的に治療効果を発揮する血管の領域が明らかとなって,互いに補足する形で治療を構成している.また,脳血管攣縮の時期に搬入される破裂脳動脈瘤の症例も,脳動脈瘤塞栓術との組み合わせで,同時に治療が可能となった.脳血管攣縮に対する血管内治療にとって最も重要な治療成功の鍵は,治療のタイミングで,この点を踏まえて治療の時期を逃さないことが,治療の成功に重要な要素である.

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© 2002 日本脳神経外科コングレス
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