脳神経外科ジャーナル
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椎骨脳底動脈系解離性動脈病変の転帰決定因子 : 再出血に影響を及ぼす因子の検討
小野 純一平井 伸治芹澤 徹小林 英一佐伯 直勝山浦 晶
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2002 年 11 巻 4 号 p. 265-270

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抄録

クモ膜下出血で発症した椎骨脳底動脈系の頭蓋内解離性動脈病変では,再出血が最も重要な転帰決定因子である.今回われわれは,再出血に影響を及ぼす因子について検討した.椎骨脳底動脈系の頭蓋内解離性動脈病変95例中,クモ膜下出血発症例は64例であった.再出血は20例(31%)に認められた.臨床的因子として,年齢,性差,高血圧の既往,Hunt and Kosnikgrade,放射線学的因子として,動脈解離部位,脳血管撮影所見に注目し,再出血群と非再出血群で比較した.年齢,性差および動脈解離部位は2群間で差を認めなかった.高血圧の既往,重症例(grade III〜V)およびpearl and string signは再出血群で有意に多く,これらは再出血に関係する独立した重要な因子である.

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© 2002 日本脳神経外科コングレス
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