脳神経外科ジャーナル
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冠動脈疾患合併例に対するCEA : 自験例と文献的考察
宇野 昌明鈴江 淳彦永廣 信治
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2003 年 12 巻 11 号 p. 723-728

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抄録

頚動脈内膜剥離術(CEA)の術中・術後の合併症で最も多いものとして,心筋虚血は重要である.今回,自験例のCEA症例のうち冠動脈撮影を施行した156例について,その重症度を心筋虚血の既往のある,なしで検討し,治療成績を分析した,また現在までの文献上でのCEA症例における冠動脈狭窄との合併例の頻度や治療成績についてまとめた.自験例で冠動脈撮影を施行した156例のうち,心筋虚血の既往のあった37例では,既往のなかった119例の群より冠動脈病変を有意に合併していた.既往群の21例(56.8%)で,CEA前あるいは同時に冠動脈血行再建術を施行した.既往のなかった群でも,49例(41.2%)の症例で冠動脈病変を有していたが,12例(10.1%)でCEA前あるいは同時に冠動脈血行再建術を施行した.心筋虚血の既往あり群のCEAの成績は,ない群より有意に不良であり,長期成績でも心筋虚血の再発が8%で認められた.文献報告ではCEA患者の8〜50%に冠動脈疾患を合併しており,心筋虚血の既往のある群は,CEA術後の成績はない群より不良であった.またCEAと冠動脈バイパスの同時手術の成績は,必ずしも良好ではなく,最近では心肺ポンプを使用しない拍動下冠動脈バイパス(OPCAB)による手術と,CEAの組み合わせが推奨されている.

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© 2003 日本脳神経外科コングレス
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