米国の医療保険制度は,高齢者・一部の障害者を対象としたメディケア,低所得者を対象としたメディケイド,その他の国民を対象とした民間保険に分けられる.民間保険には,出来高払いを基本とした従来型保険と,保険料を安く抑えたマネジドケア型保険とに分けられる.本稿では,わが国でも最近関心が高まっている,メディケアに導入された診断群別包括支払い方式 (DRG/PPS) および民間保険のなかで主流となっているマネジドケアについて概説した.わが国における医療保険制度改革をよりよいものとするためには,米国をはじめとする諸外国の医療保険制度の動向に関心を払い,その経験から学ぶことが重要と考えられる.