脳神経外科ジャーナル
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多発外傷を伴った重症外傷性基底核部出血の3例
松本 洋明河野 兼久井上 明宏石井 大造光原 崇文山口 佳昭河野 啓二武智 昭彦武田 哲二大田 正裕佐々木 潮
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2005 年 14 巻 3 号 p. 144-149

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抄録

Glasgow Coma Scale 8以下の重症外傷性基底核部出血の3例を経験し, 文献的考察を加え報告した.いずれも交通事故による多発外傷であり, 開頭血腫除去術を施行した.術後は脳平温療法を行い, 脳保護と頭蓋内圧管理を行った.全例とも頭蓋内圧管理は問題なく行えたが, 1例に播種性血管内凝固症候群(DIC)の合併が認められ, また1例は上部消化管出血で死亡した.重症外傷性基底核部出血においては, 多発外傷について全身検索を行いながら, 脳ヘルニア徴候を示すものや, 経時的CTで血腫増大を示すものに対しては積極的に外科的治療を選択し, 術後は頭蓋内圧管理および上部消化管出血や, DICなどの合併症に留意する必要があると思われた.

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© 2005 日本脳神経外科コングレス
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