2005 年 14 巻 8 号 p. 522-526
47歳女性.35年前に松果体腫瘍による閉塞性水頭症に対して脳室腹腔シャント術が施行された.今回, 結腸癌に対する開腹術が施行され, 周術期は腹腔側シャントチューブを抜去し, 脳室側シャントチューブのみ残し脳室ドレナージとして脳圧管理を行った.開腹術後, ドレナージ閉塞テストおよびMRIにて中脳水道狭窄症が確認され, 内視鏡下に第三脳室開窓術を行った.周術期のシャントチューブを介した逆行性感染や開腹術後の癒着によるシャント不全の危険性を回避することができ, シャント再建を要せず陳旧化したシャントシステムを抜去しえた.