脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
開腹手術を契機に第三脳室開窓術を行い35年前に設置された脳室腹腔シャントを抜去しえた1例
鳥巣 利奈一ツ松 勤卯田 健安部 洋井上 亨岡 一成
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 14 巻 8 号 p. 522-526

詳細
抄録

47歳女性.35年前に松果体腫瘍による閉塞性水頭症に対して脳室腹腔シャント術が施行された.今回, 結腸癌に対する開腹術が施行され, 周術期は腹腔側シャントチューブを抜去し, 脳室側シャントチューブのみ残し脳室ドレナージとして脳圧管理を行った.開腹術後, ドレナージ閉塞テストおよびMRIにて中脳水道狭窄症が確認され, 内視鏡下に第三脳室開窓術を行った.周術期のシャントチューブを介した逆行性感染や開腹術後の癒着によるシャント不全の危険性を回避することができ, シャント再建を要せず陳旧化したシャントシステムを抜去しえた.

著者関連情報
© 2005 日本脳神経外科コングレス
前の記事 次の記事
feedback
Top