脳神経外科ジャーナル
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症状が急速に進行した特発性正常圧水頭症の2例
北澤 圭子竹内 茂和谷口 禎規大野 秀子大野 司
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2006 年 15 巻 1 号 p. 57-61

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抄録

症状が比較的急速に進行した特発性正常圧水頭症の2例を経験したので報告する.症例1は正常圧水頭症の3徴である歩行障害, 精神機能低下, 尿失禁を呈し, 2週間で寝たきりとなって内科へ入院した.発症より約6週後に脳室-腹腔シャントを施行した.CT上脳室は軽度縮小し, 症状は改善された.症例2は腹膜透析中の患者で, 歩行障害と記銘力低下で発症した.1カ月半後に内科へ入院し, 2カ月後には歩行不能となった.発症より4カ月後に脳室-右心房シャントを行った.手術から1カ月で症状は完全に消失し, CT上も脳室の明らかな縮小を認めた.特発性正常圧水頭症では比較的急速に症状が進行する症例があり, 速やかな診断と治療が重要と思われた.

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© 2006 日本脳神経外科コングレス
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