2007 年 16 巻 12 号 p. 913-919
重症頭部外傷に対する減圧開頭術は,かつては頭蓋内圧制御の最終手段として最重症例に行われていたが,保存的治療と比較して確実な頭蓋内圧降下作用が期待できることから,最近では,昏睡状態に陥る前に,より積極的に行われるようになっている.局所性脳損傷である脳挫傷に対しては内減圧術(internal decompression; contusion necrotomy)が,摘出すべきmassがない広範性の脳損傷に対しては外減圧術(external decompression; decompressive craniectomy)が選択される.それぞれの手術適応,方法,成績について,頭部外傷ガイドライン,無作為試験の途中報告などを踏まえ,現在の考え方を総括する.