Keyhole clipping術(Supraorbital keyholeとPterional keyhole)

抄録

通常の開頭術に対して,eyebrow skin incisionとsupraorbital keyholeによるkeyhole surgeryで,脳動脈瘤を含む病変の外科的治療を行うことが提唱されている(Perneczky法).われわれの施設では,未破裂内頸動脈瘤と前交通動脈瘤の一部に,このPerneczky法によるclipping術を施行している.中大脳動脈瘤に対しては,outer canthal skin incisionとpterional keyholeによるclipping術を開発し施行している.42名の患者に44のkeyhole clipping術(46個の未破裂脳動脈瘤)を施行した.無剃髪,無ドレーン,無抗てんかん剤で手術は施行された.1例でlacunar infarctionで片麻痺を生じた以外は,ほとんどの患者が術後2日か3日で退院している(平均2.8±0.99日).Keyhole clipping術は,前方循環の未破裂脳動脈瘤で比較的小さなものに対して,治療法の一つの選択肢となりえると考えられる.