2011 年 20 巻 10 号 p. 725-733
第三脳室底開窓術(endoscopic thirdventriclostomy:ETV)は,低侵襲性からも大切な治療となっているが,安全性と確実性を高めるためには,手術手技に加えて,髄液循環の評価が重要である.交通性,吸収能に注目したCSF pathwayとpulse pressureを考慮に入れたCSF dynamicsを考えることが有用である.ETVは髄液循環の変化の時期"adaptation period"を経て病態が改善する特徴がある.この時期を第三脳室内にICP sensorを留置して圧変化を連続モニターすることで,髄液循環動態の変化を捉えた.ETVの有用性と限界について,病態の理解とその臨床応用を示す.