脳神経外科ジャーナル
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腰椎変性疾患に対する後方固定術 : mini-open TLIFについて(<特集>脊椎脊髄外科のトピックス)
原 政人西村 由介竹本 将也中村 茂和若林 俊彦
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2012 年 21 巻 2 号 p. 118-127

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抄録

腰椎不安定症やI度以下の腰椎変性すべり症,一部の椎間孔狭窄症例において行っているmini-open TLIFの手術法などについて述べる.6cm程度の小さな1本の皮膚切開で,片側から両側減圧を行いopen側の関節突起を切除し,椎間孔部より椎間腔の操作を行い,pedicle screwを直視下に刺入する.反対側は皮膚を牽引し,筋膜を露出後切開する.多裂筋と最長筋の間から横突起と関節外側を露出し,直視下にpedicle screwを刺入する.2006〜2010年までに行われたmini-open TLIFは64例であった.脊柱形態については,罹患椎体高は術後1年では若干増大傾向であったが,矯正損失を認めた.罹患椎体間のすべり・前弯角は,術後1年でも有意に矯正が保たれていた.腰椎全体の前弯度や胸椎の後弯度は,1年後において増大傾向を示した.全脊柱のバランスは,術後C7 plumb lineはやや後方へ移動し,改善傾向を示した.腰椎の配列異常から全脊柱のバランスが悪化するが,とりわけ高度の後弯化では,QOLの低下や,呼吸機能・摂食機能の低下による生命予後不良を引き起こす.Sagittal balanceを矯正する手術が,これらを改善させる可能性がある.われわれは神経症状を呈している部位のみの固定で可能なかぎりの矯正を試みているが,これがどの程度全脊柱バランスに影響を及ぼしていくのか,長期的な検討が必要である.

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© 2012 日本脳神経外科コングレス
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