脳神経外科ジャーナル
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グリオーマ診断のpitfallとナビゲーションを用いた手術(<特集>グリオーマ治療の現状と展望)
村垣 善浩丸山 隆志伊関 洋田中 雅彦藍原 康雄新田 雅之齋藤 太一田村 学Mikhail Chernov岡田 芳和
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2012 年 21 巻 3 号 p. 192-199

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抄録

グリオーマの診断は,術前・術後の画像診断,術中迅速標本・術後永久標本による組織学的診断がある.低悪性度グリオーマは脳梗塞と判断されることも多く,若年者で経時的縮小のないT2/FLAIR画像の高吸収病変は注意を有する.MRSやメチオニンPETが有用である.また,血管障害や変性疾患との鑑別には,経過MRIが重要な情報である.術中迅速診断は摘出度を決定する重要な情報であり,病理医との十分な意思疎通による適切な部位の採取が肝要である.病理組織診断もsampling errorを考慮すべきで,定位的生検術ではグレードと組織型両方共の"正解率"が50%以下との報告もあり,今後遺伝子診断が有用な補助診断となる.術後は再発と偽増悪や放射線壊死との鑑別が常に問題となる.今後は診断精度の向上に分子画像診断の発展に期待したい.一方,脳神経外科医としてグリオーマの治療の根幹となる手術において,ナビゲーションはリスク低減と効果向上に貢献する重要な機器である.現在主流は光学式追尾方式でPC画面上に表示する方法である.神経線維の温存のため拡散強調画像やtractography,また主病変摘出のためPET画像を重ねたナビゲーションも報告されている.登録誤差や4〜8mmあるとされる術中変位(brain shift)の存在を認識したうえで摘出に利用するべきであり,brain shiftの解決策は術中MRI,CTや超音波である.3次元画像処理技術の進歩による精緻なシミュレーション画像とナビゲーションとの融合や,術中診断(センシング)技術の進歩による診断即治療システムが次世代の潮流と思われる.

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© 2012 日本脳神経外科コングレス
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