脳神経外科ジャーナル
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症例報告
腎細胞癌由来の転移性脊髄髄内腫瘍に対する手術治療 : 2例報告
阿部 純也高見 俊宏山縣 徹浦野 裕美子大畑 建治
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2013 年 22 巻 6 号 p. 475-480

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抄録

 転移性脊髄髄内腫瘍の治療方針は, 原発癌の進行度あるいは全身状態によって大きく左右される. 今回, 腎細胞癌からの転移性脊髄髄内腫瘍の2例を経験したが, ともに急速な神経症状悪化にて発症した. 手術適応の判断には苦慮したが, 症状緩和の目的で脊髄後外側溝到達法による髄内腫瘍摘出を行った. 2例ともに術後早期から神経症状の改善を認め, 画像診断での脊髄浮腫は著明に消退した. 生命予後が限られる転移性脊髄髄内腫瘍において急速な神経症状悪化を認めた場合には, 迅速な診断が望ましく, 腫瘍摘出は治療オプションとして考慮してもよいと思われた.

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© 2013 日本脳神経外科コングレス
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