2013 年 22 巻 8 号 p. 597-604
覚醒下手術はグリオーマ手術の中でもeloquent領域近傍腫瘍の手術適応を広げる重要なテクニックである. 機能野の中でも特に言語野においてはマッピングにより皮質や皮質下の重要な脳機能の判別を可能とすることで, 摘出率の向上に貢献する. 摘出率が向上することにより, 脳腫瘍の治療成績の改善とともに術後合併症の軽減につながる. 本稿では覚醒下手術の現状と直面するであろう問題点として以下の項目を選定した. 1) 運動野近傍病変への適応, 2) Wada testは必要か, 3) functional mapping/monitoringにおけるタスクの選択, 4) negative mapping technique, 5) 偽陽性の種類と鑑別, 6) 摘出戦略, これらにつきわれわれの経験も含めて解説を行う.