2015 年 24 巻 7 号 p. 459-467
キアリII型奇形 (Ch-II) についての発生機序や経過, 合併症, 予後の知識は, 脊髄係留をはじめとする種々の中枢神経系先天性奇形全般に通じるものである. 本稿では当科が2001年1月から2013年12月までに経験した36例のCh-II症例とその治療成績を交えながら, 予後を決定する臨床現場や手術手技におけるさまざまな治療ポイントを提示する. さらにCh-IIに関して, 治療法の歴史的変遷や現状, 胎児診断やシャント設置からの離脱, 知的発達, 他科との連携による集学的治療, 海外で進められている子宮内整復術などについても解説する.