脳神経外科ジャーナル
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特集 てんかんと機能的脳神経外科の課題と展望
てんかんの診断と外科治療の適応と課題
國枝 武治菊池 隆幸吉田 和道松本 理器宮本 享
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2017 年 26 巻 12 号 p. 856-863

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抄録

 てんかんの治療戦略上, 病態の正確な把握が最も重要である. まず, てんかんの診断では, 病歴聴取に始まり, 発作時の症状や変化, 神経学的症状, 脳波検査, CT/MRIといった画像検査を組み合わせることが必要となる. さらに, 症例によっては, 発作時症状と脳波を記録可能な長時間モニタリングが大変有用であり, てんかん以外の発作鑑別には欠かせないものと考えられる.

 初期治療は内科治療になるが, 画像診断の発展に伴って, 外科治療も適応を広げている. 特に, 切除術において良好な発作予後を得るには, 「てんかん原性領域」 の同定が必須となる. 単一で焦点診断が可能な非侵襲的検索手法は現在までに存在せず, 複数を統合して評価に用いている. 各手法間に差異が認められる場合や機能領域との境界が不明確である場合には, 脳活動を直接記録できる頭蓋内電極による侵襲的な脳波記録が必要となる.

 しかし, 従来の手法で主に用いられてきた硬膜下電極にも限界があり, 近年, 定位的深部脳波 (stereotactic EEG : SEEG) が注目されている. また, 脳内ネットワークの変容が疾患の主体であるという疾病概念が提唱され, これに介入することで症状の緩和と良好なコントロールを得ようとする試みが始まっている.

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© 2017 日本脳神経外科コングレス
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