脳神経外科ジャーナル
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症例報告
短期間で増大, 瘤内血栓化および再開通を認めた小型未破裂脳動脈瘤の1例
萩田 大地山城 重雄加治 正知牟田 大助竹﨑 達也賀耒 泰之竹島 裕貴鈴木 悠平後藤 智明山本 東明西 徹
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2018 年 27 巻 11 号 p. 852-857

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抄録

 約1カ月の経過で急速に増大し, 瘤内血栓化および再開通をきたした小型未破裂前交通動脈瘤の1例を経験した. 症例は64歳女性. 軽度の頭痛を主訴に近医を受診し, MRIで3mm大の前交通動脈瘤を指摘された. また, 左内頚動脈の狭窄ともやもや血管も併存していた. その後約1カ月の経過で同動脈瘤は2度の血栓化と再開通を繰り返し, 長径は3mmから最大9mmまで増大したため, 破裂リスクが高いと判断し, 開頭クリッピング術を行った. 瘤内血栓化と再開通をきたす動脈瘤は急速に増大し破裂する危険性が高いため, 早期に適切な治療介入を講じるべきである. また, 片側もやもや病の合併が前交通動脈瘤の発生および増大に関与した可能性があると考える.

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© 2018 日本脳神経外科コングレス
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