脳神経外科ジャーナル
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特集 小児脳神経外科疾患の課題と展望
小児水頭症に対するVPシャント術 vs. 神経内視鏡手術
―現状と課題―
原田 敦子
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2018 年 27 巻 9 号 p. 646-652

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抄録

 1990年代に神経内視鏡が日本にも導入されたことにより, 小児水頭症治療の選択肢が増え, 小児に対しても神経内視鏡下第三脳室開窓術 (ETV) が行われるようになった. しかし, 適応が限られることから, 脳室腹腔短絡術 (VPS) が標準治療であることには変わりはない. 一方で, ETVに関する多施設共同研究も進み, 乳児であっても適応を選べばVPSと同様の成績が得られることが示されETVの適応が広がっている. 小児水頭症は年齢や原疾患によって治療方針が異なるので, 個々の症例の水頭症病態にあった治療法をVPS, ETV, VPS+内視鏡的頭蓋内髄液短絡術, ETV+脈絡叢焼灼術といった多彩な選択肢の中から適切に選択する必要がある.

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© 2018 日本脳神経外科コングレス
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