2019 年 28 巻 1 号 p. 27-32
Multinodular and vacuolating neuronal tumor of the cerebrum (MVNT) は比較的新しい疾患概念のため, 長期観察された報告は少ない. 今回われわれは再発なく5年経過した自験例と, これまでに報告された31例を対比しながら, MVNTの画像所見・治療経過をまとめた. これまでのところ年齢中央値は41歳であり, 男女差はない. 病理組織のみでなく画像上も結節を認めるものが約半数存在した. MVNTの症候性てんかんは手術により改善することが多い. これまでのところMVNTの悪性転化は報告されておらず, MVNTの予後は良好である.