脳神経外科ジャーナル
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特集 みらいを救う神経科学―リーダーたちの挑戦―その2
神経機能外科の現状と近未来
貴島 晴彦
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2019 年 28 巻 2 号 p. 58-64

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抄録

 定位脳手術, 脳破壊術, てんかん外科などを行う機能外科は, 工学的な技術の躍進を背景にした機器開発や脳機能の解明により, 新時代に入ったといえる. この10年間でも, 脊髄刺激や脳深部刺激のための植え込み型刺激装置や刺激電極が大きく進化した. まったく新しい手法として, MRIガイド下集束超音波による振戦の治療が開始された. その他にも, ITB療法や迷走神経刺激療法が可能となっている. このように機器の進歩や導入により, 治療効果の改善のみならず, その適応範囲も拡大している. また, 計算技術を用いた脳機能の解明が急速に進んでいる. 今後は, これまでの対象疾患だけでなく精神疾患から認知症などの幅広い患者に寄与することが予想される.

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© 2019 日本脳神経外科コングレス
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