脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
社会生活に復帰しえた術後延髄性嚥下障害の2症例
前原 健寿大野 喜久郎青柳 傑新見 康成平川 公義渋沢 三伸
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 3 巻 3 号 p. 221-226

詳細
抄録

嚥下機能障害は延髄周囲の病変の申で最も治療困難な症状の一つであり,患者の社会復帰を妨げるだけではなく,致命的合併症をも引き起こす.最近,延髄および周囲の脳腫瘍術後,重症の嚥下機能障害を起こしたが,社会復帰しえた例を経験したので報告する.症例1は右頸静脈孔神経鞘腫術後,症例2は延髄の星細胞腫術後,重症の嚥下機能障害を起こした.嚥下機能検査は輪状咽頭筋の筋電図,食道内圧検査,食道造影を行った.両者とも長期の嚥下機能リハビリテーション,輪状咽頭筋切断術や喉頭挙上術により経口摂取可能となった.延髄性の嚥下機能障害は,嚥下機能に関する諸筋の協調運動障害が中心となるため,重篤な例が多いが,患者個々の症状を考慮した嚥下機能リハビリテーションや耳鼻科的処置などの集学的治療を行うことで,治療効果が期待しうる.

著者関連情報
© 1994 日本脳神経外科コングレス
前の記事 次の記事
feedback
Top