脳神経外科ジャーナル
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Prolonged comaを伴うdiffuse brain injuryの回復に及ぼす年齢の影響
福田 忠治長谷川 浩一福島 力仙石 祐一蓮江 正道山田 祐二名倉 正利伊東 洋
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1994 年 3 巻 5 号 p. 417-425

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抄録

diffuse axonal injury (DAl)102例を検討し,若年例DAlが転帰良好である原因を検討した.若年群の予後は高齢群と比べて有意によく,長期予後ではさらに差が大きくなった.若年群は神経症状やneuro-imaging上軽症例が多いが,重症度が高くても転帰がよかった.慢性期のCTで脳萎縮良を検討すると,高筋群では大部分が脳室拡大を示したが,若年群は拡大群と正常群がほぼ同数であった.以上から,若年例の転帰が良好な理由は,(1)脳や頭蓋の弾1庄の違いにより,外力に対する脳の損傷が少ない,(2)高齢群と比べて回復機序が優れている,(3)神経損傷が少ないが一過性の神経機能障害を示す例が含まれている,などの理由によるものと考察した.

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© 1994 日本脳神経外科コングレス
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