脳神経外科ジャーナル
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外傷性脳室内出血 : その臨床像と予後
小池 芳親柴田 將良増子 昭彦小田 真理下田 雅美大井 静雄佐藤 修津金 隆一
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1994 年 3 巻 6 号 p. 494-499

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抄録

diffuse brain injury (DBI)において一般的に予後不良因子とされる傾向にあった外傷性脳室内出血(traumatic IVH)を,合併する脳損傷により分類し,その臨床像を比較検討した.traumatic IVH単独例では入院時のGCSは種々でありながら,予後は1例を除ききわめて良好で,5例中4例において受傷後48時間以内に意識障害の改善をみた.一方,他のDBIの所見として一次性脳幹損傷またはdiffuse brain swellingを合併した例では全例予後不良であり,以上よりtraumatic IVH自体の予後は合併する脳損傷により決定されると推測された.

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© 1994 日本脳神経外科コングレス
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