2021 年 30 巻 2 号 p. 106-114
てんかん患者の約3割は薬剤に抵抗性であり, 治療の選択肢としててんかん焦点の切除術が根治療法として知られている. てんかんの焦点と焦点周囲の機能野の同定を行ったうえで, 言語機能など重要な脳機能野の温存を図りつつ, 焦点を症例ごとにテーラーメードに切除する. 本稿では, 高次運動機能 (到達運動, 頭頂葉・前頭葉ネットワーク) と言語機能 (言語二重経路) に焦点をあてて, 高頻度 (皮質機能マッピング) と低頻度〔皮質皮質間誘発電位 (CCEP) によるネットワークマッピング〕を複合的に用いた 「システム」 としてのマッピング手法, そして術前脳機能マッピングから得られた知見について, 概説する.