脳神経外科ジャーナル
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症例報告
ヒトトロンビン含有ゼラチン使用吸収性局所止血材を用いた脳内出血に対する内視鏡下血腫除去術後に囊胞性病変が出現した1例
尾崎 祥多井上 雅人坂倉 悠哉玉井 雄大原 徹男
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2021 年 30 巻 5 号 p. 402-407

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抄録

 内視鏡を用いた脳内出血の外科的治療では開頭手術よりも患者負担の軽減が期待されている. しかし, 術野内で操作できる範囲が限られているため, 止血が不十分となり後出血を引き起こす可能性がある. ヒトトロンビン含有ゼラチン使用吸収性局所止血材であるFloSeal® (バクスター) は局所の有効な止血が期待できる製品であり, 合併症の報告が少ない. 今回, 内視鏡下血種除去術に同材を使用した症例で囊胞性病変をきたした症例を経験した. ゼラチン物質の残存により炎症反応を惹起し, 血種腔内で囊胞性の貯留物が発生すると推察された. 同材を使用する際には入念な洗浄を心がけ, また状況に応じては使用の適否について慎重な判断が必要と考えられた.

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© 2021 日本脳神経外科コングレス
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