2022 年 31 巻 7 号 p. 440-447
多くの新規抗てんかん薬が承認されたが, 薬剤抵抗性てんかんの発生率は大きく変わらず, 今後もてんかん外科の必要性に変化はないと思われる. 焦点切除術はてんかんの治癒を目指せるが, その適応となる症例は限られている. 焦点切除術の適応とならない症例には迷走神経刺激療法 (VNS) が緩和術として適応となるが, その効果はきわめて限定的である. 米国ではより精度の高い緩和術として脳深部刺激療法 (DBS), responsive neurostimulation (RNS) などの新規神経調節治療が導入されている. てんかん外科は焦点切除困難症例や術後発作残存症例に対する治療オプションが必要であり, 国内への新規治療導入が望まれる.