2025 年 34 巻 2 号 p. 84-90
慢性硬膜下血腫 (CSDH) は特に高齢者に多く発生する神経外科的疾患で, 標準治療は穿頭術による血腫排出であるが, 再発率は3~20%である. 再発の抑制を目指し, 副腎皮質ステロイドやトラネキサム酸などの薬物療法が試みられている. また, 詳細な手術手技についても検討され, ドレーンの留置などさまざまな手術手技と再発率の関連が明らかになった. 中硬膜動脈 (MMA) 塞栓術は低侵襲な治療法として, 現在盛んに研究されている. さらに, 近年注目を集めている人工知能 (AI) を用いた予測モデルの作成が患者の転帰を改善する可能性を秘めている. 今後の研究では, 質の高いランダム化比較試験の実施や予測モデルの精度向上が重要である.