脳神経外科ジャーナル
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無症候性海綿静脈洞部動脈瘤の自然経過 : 手術適応に関する考察(<特集>海綿静脈洞病変をどう治療するか)
佐々木 達也児玉 南海雄鈴木 恭一沼沢 真一
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1996 年 5 巻 3 号 p. 194-200

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抄録
経過観察中の無症候性海綿静脈洞部動脈瘤の自験23例について検討を加えた.23例に29個の無症候性海綿静脈洞部動脈瘤が認められ,動脈瘤部位別の個数はC3が22個,C4が5個,C5が2個であった.動脈瘤の大きさは3〜7mmで,平均4.3mmであった.follow-up期間は1.7〜9.4年で,平均4.2年であるが,くも膜下出血や脳神経麻庫などの症状を呈した症例は認めなかった.渉猟し得た文献上の手術合併症は17./%で,手術死亡率は3.3%であった.良好な自然経過と手術合併症の頻度を考えると,無症候性の場合は基本的には経過を観察し,症状を呈してくるような症例のみが手術の適応になると考えている.
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© 1996 日本脳神経外科コングレス

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